東京高等裁判所 昭和44年(行ケ)47号 判決
〔判決理由〕
(本件審決を取り消すべき事由の有無について)
二 原告は、本願商標については、「ラビアン セブン」という一連の称呼の生ずる旨を主張する。
本願商標が本来、「ラビアン セブン」なる一連の称呼を予定していることは、その構成からみて推測に難くはない。しかし、その指定商品であるかばん類等の商取引において、また、一般顧客から、常に「ラビアン セブン」と一連的にいわば不可分なものとして慣用的に称呼されていること、または、称呼されるであろうことは、これを認めるに足る証拠はない。「ラビアン セブン」なる語は、本願商標の構成からみて、本来、「ラビアン」と「セブン」との二個の語句よりなる複合語であり、しかもそのうち後半の「セブン」は数字「七」を意味する英語の「セブン」(seven)に相当することが明らかである。ところで、この「セブン」は、一般的に商品の規格、品番等をあらわす以外に特段の意味もなく「ラビアン」なる語に単に附加されたものと解せられる。したがつて、一般的に商取引において「ラビアン セブン」を簡略化して称呼するときには、そのうち特色のある「ラビアン」なる称呼によることが当然予想されるところであり、結局、簡易迅速をとうとぶ商取引界においては本願商標において商品を区別する標識としての機能を果すのは、右「ラビアン」なる称呼であると認めるのを相当とする。とすれば、本願商標においても、商品の出所を識別すべく最とも特微を有する部分、いわゆる要部に当たるのは、「ラビアン」の部分というべきであり、これを引用各商標の「ラビオン」とを比較すると、四音中「ラビン」の三点を同じくし、異なる第三音も、「ア」と「オ」の近似する同行音にすぎないから、両者は、その称呼において、彼此相紛らわしく、混淆を生ずるおそれは十分にあるといわなければならない。
しかも、両商標の指定商品は、前記のとおり、互に牴触するものであるから、本願商標は、観念ないしは外観上の類否について判断するまでもなく、その称呼において、引用の各商標と互に類似するといわなければならない。
(むすび)
三 以上説示したとおりであるから、その主張のような違法のあることを理由に本件審決の取消を求める原告の本訴請求は理由がないものというほかはない。よつて、これを棄却する。
(服部高顕 三宅正雄 奈良次郎)